第20次コンスタンティノープルの戦い

東ローマ帝国の皇帝コンスタンティヌス11世は、城内に降り注ぐオスマンの軍隊を見た。 彼は皇帝になった時からすでにこの瞬間を予感していた。 もう最後の時になった。 彼は紫色のマントを脱ぎ捨てた。 そして刀を握ったまま、一人勇敢にオスマン軍に突撃した。 彼はそのように自分の兵士たちと自分の帝国と自分のコンスタンティノープルと運命を共にした。 コンスタンティノープル最後の日だった。

 

1. コンスタンティノープル
その昔、コンスタンティヌス大帝がコンスタンティノープルを新しい首都として明らかにして以来、この都市は東ローマ帝国の中心地だった。 この都市は実に1100年間、東ローマ帝国の首都だった。 この都市はヨーロッパ大陸とアジア大陸の間、そして地中海と黒海の間に位置した海上交易路の中心地として繁栄した。 この都市は都市の女王であり、世界的な都市であった。 全盛期の人口は約40万人余りで、そのうち外国人はなんと8万人余りだった。 また、この都市は天恵の要塞として3面が海に囲まれており、陸地面はその有名なテオドシウスの三重城壁が堂々と持ちこたえていた。 この都市は、千年の間に19回も敵の侵略を受けたが、陥落したことのない、それこそ難攻不落の都市だった。 東ローマ帝国の領域がペロポネソス半島の一部とこの都市しか残っていないが、誰一人がこの都市を陥落させることはできなかった。 彼が現れるまではね。

2. メフメト2世
1451年、オスマン帝国には新しいスルタンが即位した。 メフメット2世、19歳の若くて野心満々なスルタンだった。 その当時、オスマン帝国はバルカン半島とアナトリア半島を領有し、四方にその領域を拡張していた。 しかし、問題があった。 イスラムを信じる帝国の真ん中に、ギリシャ正教を信じる東ローマ帝国のコンスタンティノープルが立ちはだかっていた。 したがって、オスマン帝国はヨーロッパの領土とアジアの領土が事実上分離されていた。 したがって、オスマン帝国にとってその都市は目の敵だった。 しかし、多くのオスマン帝国はその都市を攻撃する勇気がなかった。 その都市は過去千年間、正攻法で陥落された事例がない難攻不落の要塞だったためだった。 しかし、新しいスルタンは即位初期からコンスタンティノープル陥落を明らかにし、その準備に着手した。 多くの臣下の反対があったが、彼はその反対をすべて退け、ついに出兵した。 しかし、多くの人が陥落どころか、テオドシウスの三重の城壁を越えることはできないと予想した。

3. テオドシウス三重性壁
コンスタンティノープルの陸地面に建設されたテオドシウス三重城壁は、中世時代を通してコンスタンティノープルを守り抜いた。 その城壁の構造は名前の通り三重になっているが、1次防御線は堀と堀の後の胸壁で構成され、2次防御線は高さが5メートル幅が2メートルの外城壁、3次防御線は高さが12メートル、幅が5メートルの内城壁で構成されていた。 特に外城壁と内城壁はそれぞれ96個の望楼が設置されており、随時敵を監視し牽制した。 どの軍隊も正攻法でこの城壁を越えることはできなかった。 「神の鞭」と呼ばれながらヨーロッパを恐怖に震わせたそのアッティラさえもこの城壁の前でただ背を向け、数多くのイスラム勢力がコンスタンティノープルを攻撃したが全て失敗した。 多くの人がオスマン帝国の若いスルタンも失敗すると考えた。 1453年4月、ついに15万人のオスマン大軍が海峡を渡ってコンスタンティノープルに進撃した。 そしてほぼ同じ時期、オスマン帝国のヨーロッパの首都エディルネでは、ウルバン巨砲がコンスタンティノープルに運ばれていた。

4. ウルバン巨砲
ウルバン巨砲はハンガリーの技術者ウルバンが作った。 青銅で作られたこの巨砲を運ぶために雄牛60頭、管理人員200人が動員された。 それだけでなく、この巨砲を運搬するための道路工事も進行されたが、ここに動員された人員が250人余りだった。 この巨砲の長さは約8メートルで、重さは19トンに達した。 この巨砲の砲弾は約300キロの石ころで、その射程は1.6キロだった。 しかし、この巨砲には致命的な弱点があった。 発射後に生じる膨大な熱を冷却させるためには、なんと3時間もかかるということだった。 したがって、1日に7発を超過して砲撃することはできなかった。 もし、無理に砲撃すれば、砲自体に亀裂が生じ、爆発する可能性もあった。 それにもかかわらず、この巨砲が戦場から火を噴き出すと、コンスタンティノープルの城壁が崩れ始めた。 たとえ3時間の冷却時間の間に防御軍がコンスタンティノープルの城壁を補修することができたが、この巨砲の威力にコンスタンティノープルの防御軍および市民の心理は揺れ始めた。

 

5. 金閣湾
メフメット2世は焦った。 彼は砲撃だけでなく軍隊に対しても継続的な波状攻撃を行った。 にもかかわらず、城が陥落する気配はなかった。 彼は悩み続け、ついに金閣湾に注目した。 コンスタンティノープルの地形は三角形に近かったが、北西は陸地につながっていて、北東と南は海に面していた。 南の面は絶壁でマルマラ海と接しており、北東の面は金閣湾に面していた。 したがって、コンスタンティノープルの最も脆弱な面は、金閣湾に面した北東側だった。 もし、コンスタンティノープルを海で攻撃するなら、金閣湾で攻撃するのが最も効果的だった。 しかし、そこの幅は約7kmで長い鎖で封鎖されていた。 そしてオスマン海軍はその鎖を突破する能力がなかった。 しかし、メフメット2世は妙手を思いつく。 それは金閣湾の北側、ガラタの森を通って船を移動させることだった。 言い換えれば、陸地に船を移動させるのだ。 間もなくガラタには油を塗った丸太が置かれた。 これは船を移動させるための地上通路だった。 1453年4月22日、オスマン軍の艦隊の半分がガラタを通じて金閣湾に進入した。 コンスタンティノープルの防衛軍は驚愕した。 彼らは金閣だけで、オスマン帝国の艦隊が入ってくることを全く予想していなかった。 そのため、コンスタンティノープル北東側の城壁には少数の歩哨兵だけが配置されていた。 今やコンスタンティノープルは四方から攻撃を受け始めた。

6. 千年帝国の滅亡
にもかかわらず、コンスタンティノープルの7千人の防衛軍と5万人の市民は必死に抵抗した。 コンスタンティノープルの被害も深刻だったが、オスマン軍の兵力損失も次第に累積していた。 オスマン軍は地下坑道まで建設したが、いずれも失敗した。 これ以上の電力損失を甘受することができなかったメフメット2世は、コンスタンティノープルに降伏を勧めた。 それは当然のことながら断られた。 そんな中、1453年5月26日、皆既月食が起きた。 オスマン軍もコンスタンティノープルの人々も皆それを見た。 それはオスマン軍にとっては吉兆であり、コンスタンティノープルの人々にとっては凶兆だった。 それだけでなく都市には数日間にわたり途方もない雷雨が降り注ぎ、霧もまた立ち込めていた。 また、聖ソフィア大聖堂の頂上には赤い光が現れたりもした。 そのようなことはすべてコンスタンティノープルの人々にとって好ましくないと考えられていた。 1453年5月29日、オスマン軍は最後の攻撃を開始した。 午前0時から始まった攻撃は午後まで続いた。 防衛軍は必死に抵抗したが、すでに彼らの疲労度はピークに達していた。 結局、オスマンの軍旗が城壁に一つ、二つと翻り始めた。 まもなく多くのオスマン軍が城内に進入し始めた。 コンスタンティノープルの市民と防衛軍は、彼らの刃の下で倒れていった。 聖ソフィア大聖堂までオスマン軍の手に渡った。 58日間の熾烈な戦いの末、東ローマ帝国が滅亡した。 千年帝国が滅亡する瞬間だった。

7. 中世の終わり
コンスタンティノープルの陥落とともに同年、百年戦争が終了した。 これで中世が終わった。 コンスタンティノープルの陥落後、オスマン帝国は東地中海を支配した。 するとアジアからヨーロッパに流通する物資はその値段が暴騰した。 したがってヨーロッパのキリスト教徒たちはイスラム勢力が支配している地中海航路の代わりに、新航路開拓を模索した。 これはコロンブスの新大陸の発見につながった。 一方、地中海貿易で莫大な富を手にしたヴェネツィア共和国とジェノバ共和国は、新大陸の発見によって衰退した。 代わりにフランス、英国、オランダ、スペイン、ポルトガルなどが主導する大西洋貿易が大きく活性化された。 その他に東ローマ帝国が滅亡し、東ローマ帝国の多くの学者たちと芸術家、そして技術者たちがイタリアに亡命した。 そして、彼らは西欧のルネサンス発生に大きな影響を与えた。